『黒猫徒然草#2』
2000年頃、まだ「プラグ&プレイ」が今ほど当たり前じゃなく、PCに周辺機器を足すだけで一苦労でした。ドライバはフロッピーディスクやCD-ROMから入れるのが基本で、手順を間違えると認識しない。デバイスマネージャに「!」が出たり、IRQやCOMポートの競合で動かなかったり、OS再起動を何度も挟んだり。今の感覚だと信じられない話ですが、当時はそれが普通でした。
そんな時代、カスタマーサポート部門が社長に「0120(無料通話)」導入を直談判します。CS部長は「解決に時間がかかると、有料通話への不満で怒り出すお客さんもいる」と訴えました。
ところが社長はこう返します。「同じ商品でも、マニュアルを読み試行錯誤して設定する人がいる一方、碌にマニュアルを読まずにすぐ電話する人もいる。そのサポートコストは最終的に商品価格に乗る。前者のような“真面目なお客さん”が、無駄なコスト分まで負担させられるのは公平じゃない」。
その結果、0120は見送りに。若かった私は、この“公平性”の考え方が強く印象に残っています。(もちろんマニュアルを読んで試行錯誤しても設定できないユーザーへの配慮として、設定手順の徹底見直しを指示)
当時は「プラグ&プレイ」が無いのは当然、UI設計がユーザビリティ改善の為に意識され始めたかな?くらいで、UXに至っては単語も出てこなかった頃です。
環境が整った今なら「サポート環境云々の前に、誰でもワンクリックで設定できるように設計しろ!」という号令が飛んできそうですね。