最近、ゲーミングデバイス周りでよく聞く単語に Hall Effect(ホール効果) と TMR があります。ラピッドトリガーや低デッドゾーンの話題とセットで出てくることが多く、「結局どっちが良いの?」と悩む方も多いと思います。
でも個人的にはここは結論を急がないほうがいいと思っています。現時点では方式だけで優劣を決めず、まずは “何が違うのか” を理解すると、レビューやスペックの読み方が一段ラクになります。
まず共通点:どちらも“磁気で位置を読む”非接触方式
HallもTMRも、ざっくり言うと 磁石+センサーで動きを読み取ります。キーやスティックを動かすと磁石との距離(磁場)が変わり、それをセンサーが数値化する。接点をカチカチ接触させる世界ではなく、どれくらい動いたかを連続的に測れるのがポイントです。だからラピッドトリガーも成立します。
Hall Effect:磁場の変化を“電圧”として読む
Hall Effectは、磁場がかかると半導体内に電圧が生まれる性質を使って、磁場の強さを信号として取り出します。歴史が長く、採用例も多い。だから作り方のノウハウも蓄積されています。
イメージは 「磁場 → 電圧 → 数値」。
分かりやすい反面、磁石の配置や基板設計、補正のかけ方で“製品のクセ”が出やすい領域でもあります。
TMR:磁場の変化を“抵抗値の変化”として読む
TMRは磁気抵抗効果を使い、磁場によって素子の抵抗値が変化する性質を読み取る方式です。こちらも磁気を使う点は同じですが、信号の取り出し方が違う。
イメージは 「磁場 → 抵抗変化 → 数値」。
最近は「高感度」「省電力」みたいな文脈とセットで語られることが多く、注目度が上がっています。
方式の違いより、体感に効く“差の出どころ”
ここが一番大事です。HallかTMRかよりも、実際の体感はだいたい次で決まります。
●磁石とセンサーの配置(距離・角度・磁束のかかり方)
●ファームの補正(デッドゾーン、ヒステリシス、温度補正など)
●個体差の管理(組み立て精度、キャリブレーション、検査工程)
●ノイズ設計(電源、基板、周辺部品の影響)
つまり、方式は“看板”で、体感は“作り込みの総合点”。
「同じHallでも評価が分かれる」「同じTMRでも印象が違う」みたいな話が起きるのは、ここに理由があると思っています。
発展段階の今はセンサーの種類よりも「開発思想」「設計品質」が使い勝手に大きく影響する、ということです。
まとめ:今は優劣を判断する段階ではない
HallとTMRは、どちらも「非接触で位置を読む」方式で、違いは磁場を 電圧で読むか、抵抗変化で読むか。
ただ、どちらが良いかを断言する前に、まず「方式だけで体感は決まらない」という前提を本日は共有したいです。次回以降、初動の感じ/デッドゾーン/ラピッドトリガーの戻り/ブレの少なさみたいな“触って分かる部分”の話をしたいと思ってます。